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人材紹介会社の乗り換え|採用企業が見直す5つの基準と手順
今の人材紹介会社を乗り換えるべきか、迷ったまま契約を更新していませんか。転職Docは、乗り換えを検討するサインを5つの計測基準に整理しました。推薦数と面接率の推移、理論年収の請求額の乖離、6か月以内離職と返戻金の実行、人材サービス総合サイトの実績変化、契約更新時の条件変更です。この記事では、5つの基準と、実際に読み比べた契約書2社分の条項を根拠に、乗り換えの手順と併用への切り替えという選択肢を示します。
人材紹介会社を乗り換えるべきかは、何で判断すればいいのか
5つの計測基準で判断します。いずれも「紹介会社が悪いかどうか」ではなく、「自社の採用ニーズと紹介会社の相性が変わったかどうか」を測る物差しです。
- 基準1 推薦数と推薦→面接率は、契約開始時と比べてどう変わったか
- 基準2 理論年収の定義と請求額は、契約時の説明と一致しているか
- 基準3 6か月以内の離職と返戻金は、契約どおりに実行されているか
- 基準4 人材サービス総合サイトの実績はどう変化しているか
- 基準5 契約更新のタイミングで、料率や条件は一方的に変わっていないか
自社の求人条件や採用担当の体制が変わったときにも、この5基準はそのまま使えます。紹介会社を変える前提の記事ではなく、まず今の関係を数字で見直すための記事です。
基準1 推薦数と推薦→面接率は、契約開始時と比べてどう変わったか
社内の応募管理記録で、推薦された人数と、そのうち面接に進んだ人数の割合を時系列で並べます。契約開始から直近3か月で推薦数や面接移行率が下がっていれば、確認が必要なサインです。
この基準は人材サービス総合サイトでは追えません。同サイトの就職者数・離職者数は事業主単位・全職種合計の値で、個社ごとの推薦の質までは分かりません。自社の記録が唯一の測定手段になります。低下が続く場合、まず紹介会社に求人条件の伝え方を確認します。改善しないまま2〜3回の更新を経ているなら、乗り換えの検討材料になります。
基準2 理論年収の定義と請求額は、契約時の説明と一致しているか
契約時に説明された理論年収の定義と、実際の請求書に示された内訳が一致しているかを、請求のたびに確認します。実際に読み比べた契約書2社では、理論年収に入社時賞与を含める会社と、除外する会社がありました。同じ35%の料率でも、含める範囲が違えば請求額は数十万円単位で変わります。計算方法の詳細は「成功報酬の計算方法」にまとめています。
料率そのものにも比較の余地があります。厚生労働省「人材サービス総合サイト」で看護師(職種コード023)を扱う144事業主の手数料実績率は、25パーセンタイル20.0%から75パーセンタイル25.0%に分布します。営業職(048)を扱う257事業主では27.0%から35.0%です(2026年9月19日取得、編集部集計)。同じ職種でも実績率に5〜8ポイントの幅があり、自社の請求額が説明と一致しないまま高止まりしていないかを確認する物差しになります。交渉で解決できる場合もあり、進め方は「人材紹介の手数料交渉」で扱っています。
基準3 6か月以内の離職と返戻金は、契約どおりに実行されているか
紹介された人材が6か月以内に離職した場合、契約書に定めた返戻金が実際に実行されたかを確認します。返戻金制度自体は職業安定法上の義務ではなく、設けるかどうかも条件も紹介会社ごとに異なります。契約に条項があるにもかかわらず実行が遅れる、または理由なく縮小されるようであれば、確認すべきサインです。
まだ自社で早期離職が発生していない場合は、次の基準4で紹介会社側の6か月以内離職の実績を先に確認しておくと、契約後に気づく事態を避けやすくなります。
基準4 人材サービス総合サイトの実績はどう変化しているか
契約している紹介会社の事業主ページを開き、就職者数と6か月以内離職者数の年度別実績推移を確認します。ここで注意が必要なのは、この2つの数値が「事業主単位・全職種合計」の値である点です。同一事業主であれば、依頼している職種以外の実績も合算されて同じ数値が表示されるため、職種別の実績変化としては使えません。
職種別に比較できるのは手数料実績率だけです。就職者数・離職者数は事業主全体の傾向として捉え、直近年度で就職者数が大きく減っている、または6か月以内離職者数が増えているようであれば、依頼している職種以外の事業も含めた事業主全体の変化として受け止めます。詳しい見方の手順は「人材サービス総合サイトの見方」、6か月以内離職率の全国的な水準は「人材紹介会社の定着率の平均」に整理しています。
基準5 契約更新のタイミングで、料率や条件は一方的に変わっていないか
契約更新の通知が来たら、料率・理論年収の定義・返戻金条件の3点が前回契約と変わっていないかを見比べます。転職Docが実際に読み比べた契約書2社は、いずれも契約期間を1年とし、期間満了の1か月前までにどちらかが終了を申し入れない限り同一内容で自動更新される条項でした。更新時に条件変更の説明がない、または一方的な変更を通知だけで済まされる場合は、確認すべきサインです。
2025年4月1日には、職業紹介事業者指針の改正により、求人受付時に明示すべき事項へ「違約金の額、違約金が発生する条件及び解除方法を含む契約の内容」が追加されました(厚生労働省、日本人材紹介事業協会リーフレット、2026年9月19日確認)。契約の解除条件が書面で明示されているかも、更新のたびに確認する対象になります。
乗り換えと併用、どちらを選べばいいのか
5基準のサインが出ても、選択肢は乗り換えだけではありません。今の紹介会社を残しつつ、別の紹介会社を追加する併用も検討できます。
母集団を広げたい、または特定の基準だけに不満があり関係を完全には切りたくない場合は、併用が向きます。逆に、複数の基準で継続的にサインが出ている、または信頼関係そのものに疑問がある場合は、乗り換えが向きます。併用の利点と負担、管理表の作り方は「人材紹介会社の複数併用」で解説しています。
乗り換えの手順は何ステップあるのか
現行契約の解約通知期限の確認から始まり、5ステップです。
- 解約通知期限を確認する: 契約書の自動更新条項を確認し、期間満了の何か月前までに通知が必要かを社内カレンダーに登録します
- 進行中の候補者の扱いを確認する: 解約前に紹介を受けた候補者を採用した場合の手数料発生条件が契約書にあるかを確認します。条項がない場合は、解約の通知時に紹介会社へ書面で扱いを確認します
- 直接雇用禁止条項の残存期間を確認する: 起算点が「紹介を受けた日」である条項は、契約終了後も一定期間、対象候補者の採用に制限が残ります。詳しい条文の読み方は「人材紹介の契約書の注意点」で解説しています
- 新しい紹介会社と契約し、理論年収の定義を書面で確認する: 契約前に確認すべき項目は基準2・基準3と同じ8条項です
- 完全に乗り換えるか、併用に切り替えるかを最終決定する: 進行中の候補者と直接雇用禁止条項の残存期間を踏まえ、切り替えのタイミングを決めます
よくある質問
Q. 人材紹介会社を乗り換えるとき、今の契約はいつ解約すればいいか A. 契約書の解約通知期限を確認します。多くの契約は自動更新条項を持ち、期間満了の1か月前までに解約を申し入れないと同一内容で更新されます。実際に読み比べた契約書2社も、いずれも1か月前が解約通知の期限でした。
Q. 乗り換え前に紹介された候補者を、新しい紹介会社経由や直接雇用で採用すると、元の紹介会社に手数料は発生するか A. 契約書の直接雇用禁止条項を確認します。確認した契約書の中には、制限の起算点を契約終了日ではなく「紹介を受けた日」とする条項があり、契約を解約した後も一定期間、対象候補者の採用に制限や違約金が及ぶ場合があります。
Q. 乗り換えではなく、複数社を併用する選択肢もあるか A. あります。併用には母集団の拡大や料率の相対化という利点がある一方、重複推薦や連絡工数という負担も伴います。乗り換えのサインが出ても、全て切り替えるのではなく併用に切り替える判断ができます。
Q. 人材サービス総合サイトの実績が悪化していれば、必ず乗り換えるべきか A. 必ずではありません。就職者数・6か月以内離職者数は事業主単位・全職種合計の値で、職種別の実績としては使えません。自社が依頼している職種の実態と一致するかを、他の基準と合わせて確認する必要があります。
まとめ
人材紹介会社を乗り換えるかどうかは、推薦率・請求額・返戻金の実行・公開データ・更新時の条件変更という5つの計測基準で判断します。いずれも紹介会社の善し悪しではなく、自社との相性が変わったかどうかを測る物差しです。サインが出た場合も、乗り換えと併用の両方が選択肢です。転職Docは、解約通知期限と直接雇用禁止条項の残存期間を確認した上で、次の一歩を決めることをすすめます。
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