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人材紹介の定着率の平均|採用企業が調べる6か月離職率

転職Doc編集部 更新: 2026年9月20日

「定着率が高い紹介会社を選びたい」と考えたとき、比較できる公開数字は1つしかありません。厚生労働省「人材サービス総合サイト」に掲載される6か月以内離職率です。転職Doc編集部が取扱職種12コード×47都道府県で一括取得したデータを集計すると、就職者10人以上の558事業主で6か月以内離職率の中央値は2.2%、就職者数で重み付けした加重平均は6.1%でした。この記事では、この2つの数字の出どころと、事業主単位で自社の候補先を調べる手順、集計上の注意点を出典つきで整理します。

人材紹介会社の「定着率」とは何を指すのか

人材サービス総合サイトに「定着率」という項目はありません。掲載されているのは就職者数と6か月以内離職者数で、定着率はこの2つから利用者が読み解く数字です。転職Docでは「6か月定着率=1−(6か月以内離職者数÷就職者数)」を作業上の定義として使います。人材紹介会社の選び方7つの基準の東京都・看護師50社の実測も、この同じ式で計算しています。ただし、この式には前提が2つあり、読み違えると比較を誤ります。

「1−離職率」を定着率と呼ぶときの前提は何か

前提は2点あります。1つは、就職者数が「4か月以上の有期労働契約または無期労働契約」を結んだ人数に限られる点です(厚生労働省「人材サービス総合サイト」2026年9月19日取得、編集部確認)。4か月未満の短期契約で就職した人は、そもそも就職者数に含まれません。もう1つは集計期間です。就職者数と6か月以内離職者数がどの年度の実績かはサイトの凡例で確認する必要があり、年度末に近い時期の就職者は掲載時点でまだ6か月を経過していない場合があります。この場合、就職者数(分母)と6か月以内離職者数(分子)が指す人の集まりが完全には一致しません。

このため、この記事の全国集計では定着率に引き算する前の「6か月以内離職率」の実数を示します。個別の会社を比べるときは、同じ前提のもとで1から引いて定着率に直して構いません。事業主が届け出た実績を職業安定法第32条の16の情報提供義務にもとづき公開している数字だという点は変わりません。

人材紹介会社の6か月以内離職率の全国平均はどのくらいか

編集部が2026年9月19日に取得した集計(就職者10人以上・離職者数が就職者数を超えない558事業主)では、6か月以内離職率の中央値は2.2%、平均は5.5%、就職者数で重み付けした加重平均は6.1%(就職者233,601人・離職14,302人)でした。「全国平均」と呼ぶときは、この3つのどれを指しているかを先に決める必要があります。

| 指標 | 値 | 意味 | |---|---|---| | 中央値 | 2.2% | 558事業主を並べたときの真ん中の値。1社あたりの典型的な水準 | | 単純平均 | 5.5% | 558事業主の離職率をそのまま平均した値。少数の高離職率事業主に引き上げられやすい | | 加重平均 | 6.1% | 就職者数で重み付けした値。業界全体で見た離職者の割合に近い |

分布で見ると、離職率0%の事業主が219社と最も多く、次いで0〜5%が134社です。20%を超える事業主は30社でした。

| 6か月以内離職率の帯 | 事業主数(558社中) | |---|---| | 0% | 219 | | 0%超〜5% | 134 | | 5%超〜10% | 103 | | 10%超〜20% | 72 | | 20%超 | 30 |

この558事業主には、就職者数が10人以上でも6か月以内離職者数が「-」表示の事業主(165社。大手を含みます)は入っていません。加重平均6.1%は、離職者数を公開している事業主に限った値です。

なお、就職者数の絞り込みをかけない全体(就職者数が数値で掲載されている994事業主)で見ると、就職者数の合計は540,341人、6か月以内離職者数の合計は14,362人で、割合は2.7%です。この2.7%は就職者数が1人・2人といった小規模な事業主も含む数字で、558事業主に絞った加重平均6.1%とは対象範囲が異なります。どちらの数字を引用するときも、対象にした事業主数と条件を明記してください。

人材紹介会社の6か月以内離職率はどこで調べられるか

自社が検討している紹介会社の数字は、人材サービス総合サイトで無料で確認できます。基本の検索手順は人材サービス総合サイトの見方で解説していますので、ここでは定着率を確認する部分に絞ります。

一覧画面で6か月以内離職者数の列を確認する

都道府県と取扱職種を指定して検索すると、一覧に就職者数と6か月以内離職者数の列が並びます。この2つの数値をその場で引き算するのではなく、まず就職者数の規模を確認します。就職者数が数人程度の事業主は、離職率が1人の増減で大きく変わるため、規模の小さい事業主同士を単純比較しないほうがよいです。

事業所名をクリックして年度別の実績推移を見る

一覧の事業所名をクリックすると詳細ページに移動し、年度別の実績推移が表示されます。単年の数字だけでなく複数年分を並べて見ることで、たまたま離職者が出た年か、継続的な傾向かを見分けやすくなります。返戻金制度の有無もこの詳細ページで確認できます。契約前に確認すべき返戻金の条件は返戻金制度にまとめています。

定着率を調べるときに注意すべき点は何か

数字を読み違えやすい点が4つあります。

  • 就職者数が小さい事業主は離職率がぶれる: 558事業主のうち219社が離職率0%でしたが、この条件は就職者10人以上に絞った上での集計です。10人前後の事業主では1人離職しただけで離職率が10%近くまで動くため、0%という表示だけで定着率が高いと判断しないほうがよいです。
  • 数値は事業主単位・全職種合計で、職種別には分解できない: 就職者数と6か月以内離職者数は、同一事業主であれば取扱職種を問わず同じ値が複数の職種の行に表示されます。職種別に比較できるのは手数料実績率だけで、料率の水準は人材紹介の手数料相場にまとめています。
  • 「-」表示の事業主は集計から除外する: 就職者数が「-」(非表示)の事業主が17件あります。これらは離職率を計算できないため、比較対象から外してください。
  • 集計期間(年度)はサイトの凡例で確認する: 就職者数と6か月以内離職者数がどの年度の実績かは事業所によって表記が異なります。凡例で確認できない場合は「2026年9月19日時点の掲載値」など、取得日時点の値として扱ってください。

定着率だけで1社に決めず、就職実績や手数料実績率と合わせて比較する視点は人材紹介会社の選び方7つの基準で整理しています。

医療・介護・保育分野で6か月以内離職率が重視されるのはなぜか

医療・介護・保育の3分野には、返戻金制度と6か月以内離職率を結びつけた認定制度があります。厚生労働省の「医療・介護・保育分野における適正な有料職業紹介事業者の認定制度」は令和6年度に認定基準を見直し、「求職者が就職後6か月以内に離職した場合の返戻金制度を設けていること」を必須基準に加えました。令和5年度までは返戻金制度の有無と内容の明示が基準でしたが、対象期間が6か月以内と明確化された点が変更点です。

この認定基準は医療・介護・保育の3分野が対象で、他分野には適用されません。ただし、人材サービス総合サイトが公開する6か月以内離職率と同じ期間で返戻金の対象範囲を区切る動きは、他分野の採用企業にとっても契約書を確認する際の目安になります。返戻金条項の詳細な確認点は返戻金制度、契約書全体の確認点は契約書チェックリストで扱っています。

よくある質問

Q. 定着率と6か月以内離職率は同じ数字か A. 厳密には同じではありません。就職者数は4か月以上の有期または無期契約の人数に限られ、集計期間の年度設定によっては就職者数と6か月以内離職者数が指す人の集まりが完全には一致しません。1から離職率を引く計算ではなく、公開されている6か月以内離職率をそのまま定着の目安として使うことをすすめます。

Q. 「全国平均」と言うとき、中央値と加重平均のどちらを使えばいいか A. 目的で選びます。1社あたりの典型的な水準を見たいときは中央値2.2%、業界全体でどれだけの人数が離職しているかを見たいときは就職者数で重み付けした加重平均6.1%を使います。編集部の集計(就職者10人以上・558事業主、2026年9月19日取得)ではこの2つに約4ポイントの差があります。

Q. 6か月以内離職率が0%の事業主は定着率が高いと言えるか A. そうとは限りません。就職者10人以上の558事業主のうち219社が0%でしたが、就職者数が10人台の事業主も含まれ、少人数のため偶然離職者が出なかった可能性があります。0%という表示だけで判断せず、就職者数の規模も合わせて確認してください。

Q. 職種別の定着率は人材サービス総合サイトで調べられるか A. 調べられません。就職者数と6か月以内離職者数は事業主単位・全職種合計の値として掲載されており、職種別には分解できません。職種別に比較できるのは手数料実績率だけです。

まとめ

人材紹介会社の6か月以内離職率は、就職者10人以上・558事業主で中央値2.2%、加重平均6.1%です。「1−離職率」という簡便な計算には分母の期間と4か月未満有期契約の扱いという限界があり、転職Docは公開実数をそのまま示す方法をすすめます。自社の候補先を調べるときは、就職者数の規模と集計年度を確認したうえで、人材サービス総合サイトの実績を見てください。

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