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派遣と人材紹介の違い|雇用主・法律・費用で比べる

転職Doc編集部 更新: 2026年9月20日

派遣と人材紹介(転職エージェント)、どちらに登録すればいいのか迷う人がいます。結論は、雇用主も根拠となる法律もお金の流れも別の仕組みだという点です。この記事では、派遣と人材紹介の違いを雇用主・法律・費用の3点で整理し、両者をつなぐ「紹介予定派遣」の位置づけ、それぞれで確認しておきたい点まで転職Doc編集部が出典つきで解説します。

派遣と人材紹介では、雇用主は誰になるのか

違います。派遣は派遣会社と雇用契約を結び、指揮命令だけを派遣先から受けて働きます。人材紹介は紹介先の求人企業と直接雇用契約を結びます。

派遣の場合、賃金を支払うのも社会保険の手続きを行うのも派遣会社です。実際に働く現場の指示は派遣先から受けますが、雇用主はあくまで派遣会社になります。人材紹介の場合、紹介会社は求職者と求人企業の間を仲介するだけで、雇用関係には入りません。内定が出て入社した時点で、雇用主は最初から最後まで求人企業です。

同じ「紹介」という言葉が使われる場面でも、契約の当事者が誰かで働き方の実態は変わります。求人サイトで「派遣」と表記されている案件を見かけたら、雇用契約の相手は紹介先の企業ではなく派遣会社になる点をまず確認してください。

派遣と人材紹介、根拠となる法律は何が違うのか

別の法律にもとづく、別の許可です。労働者派遣事業を営むには労働者派遣法第5条第1項の許可が必要で、有料職業紹介事業を営むには職業安定法第30条の許可が必要です(求職者から手数料を取らない場合は同法第33条の無料職業紹介事業の許可)。転職Docで扱う転職エージェントの多くは、この職業安定法にもとづく有料職業紹介事業者です。

許可番号の記号で見分けられる

許可番号の先頭につく記号で、どちらの許可かを見分けられます。有料職業紹介事業の許可番号は都道府県番号のあとに「ユ」が入ります(例: 13-ユ-300539)。労働者派遣事業の許可番号は「派」が先頭に入ります(形式例: 派13-000123。実在の番号ではなく形式の例示です)。同じ会社が労働者派遣事業と有料職業紹介事業の両方の許可を持っているケースもあり、その場合は事業ごとに別の許可番号が発行されます。紹介会社の公式サイトに記載された許可番号の記号を見れば、その会社がどちらの事業を行っているかが分かります。

派遣と人材紹介、お金の流れはどう違うのか

派遣は派遣先が派遣会社に継続的な派遣料金を払い、そこから派遣社員の賃金が支払われます。人材紹介は採用企業が紹介会社に、入社が決まった時点で1回だけ成功報酬を払います。

派遣会社は労働者派遣法第23条第5項にもとづき、派遣料金の平均額と派遣労働者の賃金の平均額の差額(マージン率)などの情報を、毎事業年度終了後に公表する義務を負います。派遣料金からどれだけが賃金に回っているかが、事業年度ごとに開示される仕組みです。

人材紹介の報酬は、成功報酬型の「理論年収×手数料率」で計算されます。厚生労働省「人材サービス総合サイト」が公開する紹介事業者ごとの手数料実績率を転職Doc編集部が集計したところ、1,042件の職種別データ(事業主×職種)の中央値は27.0%でした(2026年9月19日取得、転職Doc編集部集計)。詳しい実測値は「転職エージェントはなぜ無料か」にまとめています。

いずれの仕組みでも、求職者が費用を負担する構造ではありません。派遣は雇用契約に基づく賃金の支払いという関係で、そもそも紹介料の徴収を想定していません。人材紹介は職業安定法第32条の3第2項が、有料職業紹介事業者による求職者からの手数料徴収を原則禁止しています。転職エージェントと転職サイトの費用構造の違いは「転職エージェントと転職サイトの違い」で解説しています。

紹介予定派遣とは何か

派遣として働き始め、あらかじめ派遣期間終了後の直接雇用を予定して行う派遣の一種です。労働者派遣法第2条第4号が、労働者派遣のうち派遣元が派遣労働者と派遣先について職業紹介を行い、または行うことを予定してするものと定義しています。

実際の運用では、派遣として最長6か月ほど働いたのち、派遣先と派遣労働者の双方が合意すれば、派遣先による直接雇用(人材紹介と同じ雇用関係)に切り替わります。派遣で職場や業務内容を確認したうえで、正社員などの直接雇用に移りたい場合の選択肢になります。

合意に至らなければ直接雇用への切り替えは行われず、派遣期間の終了とともに関係が終わります。紹介予定派遣は直接雇用を保証する仕組みではなく、直接雇用を前提に試用する仕組みだという点は押さえておく必要があります。

派遣と人材紹介、どちらが向いているのか

働き方の希望が「試したい」か「決めたい」かで分かれます。

  • 派遣が向く人: 就業先の雰囲気や業務内容を試してから今後を決めたい人、短期・単発で働きたい人、できるだけ早く働き始めたい人
  • 人材紹介が向く人: 長期的なキャリア形成を前提に転職先を選びたい人、年収や入社条件の交渉を担当者に任せたい人、最初から正社員としての直接雇用を希望する人

どちらか一方に絞る必要はありません。派遣で職場を確認してから人材紹介で正社員求人を探す、という順番で使う人もいます。

派遣と人材紹介、それぞれで確認しておきたいことは何か

派遣は待遇の均等・均衡、人材紹介は労働条件の明示が確認点です。

  • 派遣: 労働者派遣法第30条の3・第30条の4が、派遣先の通常の労働者と比べて不合理な待遇差を設けることを禁止しています。派遣会社は「派遣先均等・均衡方式」と「労使協定方式」のどちらで待遇を決めているかを説明する義務があるため、求人票や面談時にどちらの方式かを確認します
  • 人材紹介: 職業安定法第5条の3が、紹介会社と求人企業に対し、業務内容・賃金・労働時間などの労働条件を明示する義務を定めています。求人票の記載内容を、面談前・応募前に自分でも確認します

許可番号や手数料実績率を自分で調べる手順は「人材サービス総合サイトで転職エージェントを調べる方法」にまとめています。パート・非常勤で派遣と紹介を使い分ける場合の確認点は「パート・非常勤の転職エージェント」も参考にしてください。

よくある質問

Q. 派遣と人材紹介、どちらも求職者にお金はかかりませんか A. 原則かかりません。人材紹介は職業安定法第32条の3第2項により求職者からの手数料徴収が禁止されています。派遣も、派遣社員は派遣会社との雇用契約にもとづいて賃金を受け取る立場であり、登録や紹介にあたって求職者に費用を請求する仕組みではありません。

Q. 同じ会社が派遣と人材紹介の両方をやっていることはありますか A. あります。労働者派遣事業と有料職業紹介事業は別の許可のため、両方を取得している会社では許可番号の記号(派・ユ)で事業の区別がつきます。対応できる範囲は担当者に確認すると分かりやすいです。

Q. 紹介予定派遣で、派遣期間が終わっても直接雇用にならないことはありますか A. あります。紹介予定派遣は直接雇用を予定する仕組みですが、派遣期間終了時に派遣先・派遣労働者のどちらかが合意しなければ、直接雇用に切り替わらず派遣期間の終了とともに関係が終わります。

Q. 派遣と人材紹介、両方に登録してもいいですか A. 登録できます。派遣は派遣会社ごとに雇用契約を結ぶ仕組み、人材紹介は複数の紹介会社に同時登録できる仕組みで、併用を制限する法律上の規定はどちらにもありません。

まとめ

  • 派遣は派遣会社と雇用契約を結び派遣先で働く仕組み、人材紹介は紹介先企業と直接雇用契約を結ぶ仕組みで、根拠法も労働者派遣法と職業安定法で別です
  • お金の流れも別で、派遣は派遣料金とマージン率が公表され、人材紹介は採用企業からの成功報酬(手数料実績率は職種ごとに公開)で運営されています
  • 職場を試したいなら派遣、条件交渉や長期のキャリア形成を任せたいなら人材紹介が向きます。紹介予定派遣は両者をつなぐ選択肢です

次の一歩として、許可番号の記号(派・ユ)を紹介会社の公式サイトで確認し、自分が使っているサービスがどちらの許可にもとづくかを把握してください。転職エージェントの仕組み全体は「転職エージェントはなぜ無料か」、サイト型との違いは「転職エージェントと転職サイトの違い」で解説しています。