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転職エージェントの非公開求人とは|理由と見分け方

転職Doc編集部 更新: 2026年9月20日

転職エージェントから求人を紹介されるとき、「これは非公開求人です」と言われることがあります。結論は、法令上の定義がある区分ではなく、公開先を限定した求人の呼び方です。企業が非公開にする理由、紹介会社が勧める理由、「非公開求人◯万件」という数字が比較できない理由、非公開でも条件確認を省略していいわけではない点を、公式サイトの表記と法令をもとに整理します。

非公開求人とは何か、企業はなぜ求人を非公開にするのか

非公開求人とは、企業の採用ページや転職サイトに掲載せず、転職エージェントの担当者を通じてのみ紹介する求人を指します。呼び方であって、法令上の分類ではありません。

企業が非公開にする理由は、主に3つに整理できます。

  • 競合に知られたくない: 新規事業や拠点展開に伴う採用計画が、公開求人から競合他社に伝わるのを避けます
  • 応募が集中するのを避けたい: 知名度が高い企業や条件が良い求人を公開すると応募数が跳ね上がり、選考の負担が増えます
  • 後任の募集: 在職中の社員に知られないよう、退職前に後任探しを進める場合があります

紹介会社が非公開求人を勧めるのはなぜか

紹介会社の収益構造と、独占的に扱う求人の成約しやすさが関係します。紹介会社は入社が決まった場合に採用企業から成功報酬(理論年収×手数料率)を受け取ります。仕組みの詳細は「転職エージェントはなぜ無料か」で解説しています。

非公開求人には、特定の紹介会社だけが取り扱う独占的な求人が含まれます。独占的な求人は、他の紹介会社との競合が少なくなる場合があります。

「非公開求人◯万件」の数字は比較できるのか

比較できません。同じ定義・同じ時点で計測された数字ではないため、社数の大小をそのまま比べる材料にはなりません。転職Doc編集部が2026年9月20日に確認した3社の公式サイトの表記です。

| サービス | 公式サイトの非公開求人の件数表記 | |---|---| | リクルートエージェント | トップページに「非公開求人25万件以上※」(2026年3月31日時点)、別の箇所に「非公開求人約29万件」(8月30日時点)と、集計時点が異なる採用予定人数による表記が並んでいました | | doda | 「求人317,939件(非公開求人を含む)」という総数の表記のみで、非公開求人単独の件数は示していません | | マイナビエージェント | トップページに非公開求人の件数そのものの記載がありませんでした |

3社の表記は前提が揃っておらず、同じ定義・同じ時点で比較できる数字ではありません。「◯万件」という数字だけを根拠に依頼先を決めるのは、比較材料としては弱いです。

非公開求人を紹介されたとき、求職者が確認すべきことは何か

確認すべきは3点です。求人票の労働条件明示、重複紹介の有無、非公開を理由に説明が先延ばしにされていないかです。

  1. 求人票の労働条件明示: 職業安定法第5条の3第1項は、求人者及び職業紹介事業者等に対し、業務内容・賃金・労働時間などの労働条件を明示する義務を課しています。非公開求人でも、求人票や同等の情報を受け取った時点でこの明示義務の対象になります。勤務地・給与・雇用形態が曖昧なまま選考が進む場合は、その場で確認してください
  2. 重複紹介の確認: 同じ求人が別の転職エージェントや公開の求人サイトに出ていないか確認します。複数の紹介会社に登録している場合、同じ求人を別の担当者から紹介されることもあります。複数登録の進め方は「転職エージェントの複数登録」で解説しています
  3. 条件を曖昧にされていないか: 「非公開なので詳細は面談で」と後回しにされる場面もありますが、明示義務のある項目を先延ばしにする理由にはなりません。数値で回答が返らない場合は、その場で聞き直してください

非公開求人は良い求人だと言えるのか

言えません。非公開であること自体は、求人の良し悪しを示す材料にはなりません。

非公開にする理由は競合対策や応募集中の回避など企業側の事情によるもので、待遇や職場環境の水準とは別の話です。一方で、応募が集まりにくい欠員補充のポジションが非公開のまま流通している場合もあります。非公開求人を勧められたときは、非公開という理由ではなく、求人票に書かれた条件そのものを見て判断してください。

非公開求人を扱うエージェントはどう選べばよいか

  • 求人票の労働条件が明示されているか(職業安定法第5条の3第1項)
  • 紹介理由が具体的に説明されるか。「非公開だから」だけで終わっていないか
  • 同じ求人が他の紹介会社や公開求人サイトに出ていないか
  • 非公開であることを理由に、質問への回答が先延ばしにされていないか

よくある質問

非公開求人には法令上の定義がありますか

ありません。職業安定法や関連省令に「非公開求人」という用語の定義はなく、各紹介会社が運用上の呼び方として使っています。何を公開・非公開にするかの判断も、紹介会社ごとに異なります。

非公開求人だけを紹介してもらうことはできますか

確約はできません。どの求人を紹介するかは担当者の判断に委ねられており、非公開求人だけを希望しても公開求人が含まれることがあります。求人を紹介されない場合の背景は「求人を紹介されないときの理由」にまとめています。

非公開求人の件数が多いサービスを選ぶべきですか

件数の大小だけで選ぶのは避けてください。転職Doc編集部が確認した限り、公式サイトの表記は会社によって示し方が異なり、同じ定義・同じ時点で計測された数字とは限りません。判断材料にするなら、件数ではなく求人票に書かれた条件を確認してください。

非公開求人は転職サイトで検索して見つけられますか

見つかりません。転職サイトに掲載しない求人を非公開求人と呼んでいるため、検索しても表示されない仕組みです。転職エージェントと転職サイトの仕組みの違いは「転職エージェントと転職サイトの違い」で整理しています。

非公開求人でも労働条件が示されないことはありますか

法律上は示す義務があります。求人票を受け取っても勤務地・給与・雇用形態などが不明なまま選考が進む場合は、担当者に確認するか、都道府県労働局への相談も選択肢になります。

まとめ

  • 非公開求人は法令上の定義がある区分ではなく、公開先を限定した求人の呼び方です
  • 企業側は競合対策・応募集中の回避・後任募集、紹介会社側は成功報酬と独占的な求人の扱いやすさが、非公開にする理由として関わります
  • 「非公開求人◯万件」という数字は、転職Doc編集部が確認した3社の公式サイトでも表記の仕方が揃っておらず、比較材料になりません
  • 確認すべきは件数ではなく、求人票の労働条件明示と、非公開を理由に説明が先延ばしにされていないかです

次の一歩として、非公開求人を紹介されたら件数の大きさより求人票の記載を先に確認してください。仕組み全体は「転職エージェントと転職サイトの違い」、複数登録の進め方は「転職エージェントの複数登録」、無料の裏側にある収益構造は「転職エージェントはなぜ無料か」でまとめています。データの調べ方は「人材サービス総合サイトで転職エージェントを調べる方法」も参考にしてください。