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新卒の人材紹介のメリット|採用企業が向き不向きを見る基準
新卒採用で人材紹介を使うべきか、迷っていませんか。結論から言うと、新卒紹介は中途と同じ職業安定法の枠組みで動く有料職業紹介ですが、費用の示され方が違います。理論年収に料率をかける表記はほとんど見られず、公開されている場合は1名あたりの定額で示される例があります。この記事では、転職Doc編集部が新卒紹介・新卒採用サービス4社の公式サイトを2026年9月20日に確認した記録と、文部科学省・厚生労働省の公開統計から、採用企業が新卒紹介を使うべきかどうかを見る基準を整理します。
新卒紹介は、中途の人材紹介と同じ仕組みなのか
はい。新卒紹介も職業安定法上の有料職業紹介事業にあたります。厚生労働大臣の許可を受けた事業者が運営し、手数料に関する規制(職業安定法第32条の3)と、求人条件の明示義務(同法第5条の3)は中途向けの人材紹介と共通です。仕組みが共通する一方、新卒採用は内定から入社までの期間が長く、内定辞退が発生しやすいという新卒特有の事情があります。この違いが、費用の示され方や契約条件に反映されています。
なお、大学(学部)卒業予定者の就職内定率は92.0%(2026年2月1日時点、文部科学省・厚生労働省「令和7年度大学等卒業予定者の就職内定状況調査」2026年3月17日公表)です。多くの学生が複数社から内定を得られる状況にあるため、内定を出しても入社に至らない前提で費用構造を確認しておく必要があります。
新卒紹介の費用は、どのように示されているのか
編集部は2026年9月20日に、新卒紹介・新卒採用サービス4社の企業向け公式ページを確認しました。結果は次のとおりです。
| サービス名 | 運営会社 | 料金の公開状況 | |---|---|---| | 就職エージェントneo | 株式会社ネオキャリア | 非公開(成果報酬型と記載、金額は問い合わせ) | | マイナビ新卒紹介 | 株式会社マイナビ | 非公開(金額の記載なし) | | doda新卒エージェント | 株式会社ベネッセi-キャリア | 公開(紹介手数料は文系110万円・理系130万円、税別) | | dodaキャンパス(スカウト型) | パーソルキャリア株式会社 | 公開(定額制3名60万円〜無制限90万円のキャンペーン価格、成功報酬制は上限超過時1名35万円・税別) |
4社中2社が具体的な金額を公式サイトに公開しており、いずれも1名あたりの定額でした。中途向けの人材紹介で一般的な「理論年収×料率」の表記は、今回確認した範囲では見られませんでした。確認したのは4社のみのため、この4社の例であり、新卒紹介市場全体の相場ではありません。依頼を検討する際は、対象サービスの公式サイトか問い合わせで最新の料金を確認してください。
内定辞退が出たとき、費用はいつ発生するのか
紹介手数料の発生時点を、契約前に確認します。doda新卒エージェントの公式ページには、紹介手数料が内定承諾時に発生すると明記されています。内定を出しただけの段階では費用は発生しません。同ページには返金制度も明記されており、入社前辞退は全額返金、入社後1か月以内の退職は報酬の80%返金、入社後2〜6か月以内の退職は20%返金となっています。
費用発生の時点と返金の条件は、サービスや契約によって異なります。依頼前に契約書で「費用が発生するのは内定承諾時か、入社時か」「入社後に辞退・退職した場合の返金条件は何か」を確認してください。契約書で確認すべき条項は「人材紹介の契約書の注意点」に整理しています。
返戻金の考え方は、新卒でも中途と同じか
期間の区分ごとに返金率が下がっていく考え方自体は、中途向けの返戻金制度と同じです。doda新卒エージェントの例では、入社後の経過期間に応じて80%・20%と段階的に返金率が下がります。中途向けの契約でも、1か月未満・1〜3か月といった期間区分で返金率を段階的に下げる例が一般的です。
新卒紹介では、内定から入社まで数か月から半年以上の期間があく点が中途と異なります。入社前の内定辞退は返金の扱いが明確でも、入社後の早期離職に対する返金条件は事業者ごとに差があります。返戻金制度の仕組みと確認ポイントは「返戻金制度」で解説しています。
新卒紹介が向く採用企業はどんな企業か
次の3条件のいずれかに当てはまる企業は、新卒紹介との相性が良い傾向があります。
- 採用人数が少なく、母集団を大きく形成する必要がない企業
- 採用担当者が中途採用や他業務と兼任しており、説明会やエントリーシート対応に時間を割けない企業
- 自社での母集団形成(説明会・合同説明会への出展・エントリー収集)の経験が少ない企業
新卒紹介は、事業者側が学生との面談を通じて条件に合う候補者を絞り込んで紹介する仕組みです。自社で母集団を集める工程を事業者に任せられるため、採用担当の人手が限られる企業ほど効果が出やすくなります。
新卒紹介が向かない採用企業はどんな企業か
大量採用を行う企業や、インターンシップ経由で既に母集団を形成できている企業には、新卒紹介以外の手法の方が適する場合があります。1名あたりの紹介手数料は今回確認した範囲で数十万円から百万円超となるため、採用人数が多いほど紹介1本での採用は費用がかさみます。
大量採用向けの手法との費用比較や、依頼から入社までの実務フローは「人材紹介と求人媒体の損益分岐点」と「人材紹介を依頼する流れ」に整理しています。採用人数が少ない中小企業向けの考え方は「中小企業が人材紹介を使うときの考え方」も参考にしてください。
よくある質問
Q. 新卒紹介の費用は、中途と同じ「理論年収×料率」で計算されますか A. 必ずしもそうではありません。編集部が確認した新卒紹介・新卒採用サービス4社のうち、金額を公式サイトに公開していた2社は、いずれも1名あたりの定額でした。理論年収に料率をかける表記は確認できませんでした。
Q. 内定を出した学生が辞退した場合、費用は発生しますか A. サービスによって異なります。doda新卒エージェントの例では、紹介手数料は内定承諾時に発生するため、内定を出しただけの段階では費用は発生しません。契約前に、費用発生の時点を契約書で確認してください。
Q. 新卒紹介と中途向けの人材紹介は、同じ会社に依頼できますか A. 会社によります。新卒紹介を専門に扱う事業者もあれば、中途と新卒の両方を扱う事業者もあります。依頼前に、対象とする採用区分を公式サイトや問い合わせで確認してください。
Q. 採用人数が1名でも、新卒紹介は利用できますか A. 多くの新卒紹介サービスは1名からの依頼に対応しています。ただし1名あたりの費用が数十万円から百万円超になるため、採用人数が少ない企業ほど費用対効果を事前に見積もる必要があります。
まとめ
新卒紹介は中途と同じ有料職業紹介の枠組みで動きますが、費用は理論年収の料率ではなく1名あたりの定額で示される例があります。転職Doc編集部が確認した4社のうち、金額を公開していたのは2社にとどまりました。内定辞退時の費用発生時点と返金条件は契約書で確認する必要があり、採用人数が少なく採用担当の手が足りない企業ほど新卒紹介との相性が良い傾向があります。